はじまりはこうだ。
「私はこんな音楽を作ります、歌を書きます」という名刺代わりになるような「弾き語り」をちゃんと、できるようになりたい、また継続的に演奏したい、という私から私への使命がある。強い使命が戻ってきた。 そして、「私が作る」だけではなく、「ブラジル音楽」という広大な土地を少しずつでも開墾していきたい、人と出会い・彼らの心を、音楽を借りて、この土地で飛び跳ねたい。セッションに参加して、音楽で繋がる喜びを得たい、その喜びを糧にたくさんのことを学んでいきたい。 でも、それ以外に何かできないか、と考えていた。 私にとって、そもそも音楽とは、表現することとは、なんなのだろう。 なぜ、こんなことやってるんだろう。 私以外、誰も望んでいないのに。 私が作詞や作曲を始めたのはたぶん14~15歳くらいの頃で、最初は詞だけ書いていた。短歌とか、作っていた。 そんなことで将来食ってけないことはわかっていた。でも、表現したかった。 心の中がお喋りすぎだったから。 楽器は一応、ピアノちょっととバイオリンを11歳まで習った。 ピアノの課題曲は3歳上の姉が先に弾いているのを聴いていて、バイオリンは有難くも(結果的には迷惑にも?)母が教則本付属のCDを買ってきてくれたので、耳から曲を覚える癖がつき、楽譜を読むことが異常に苦手だった。 それだけが理由ではないが、好き勝手に弾くのは好きでも肝心の練習はろくにせず、劣等生のまま辞めてしまった。 そんなダメな生徒でも、音楽、というか音楽家・芸術家への憧れは、本当に幼いころからあった。 でもそんなダメな生徒だってことは早い段階で自覚していたから、演奏家にはなれないし、自分で演奏できない曲は作曲できないから作曲家も無理、(さよならベートーベン)と諦めていた。思い返すととても現実的なチビで、チビの癖に焦っていたと思う。 家の隣にピアノの先生の家があり、自分と同じ年齢(5歳)の先生の娘さんが毎朝ピアノの練習をしている音が、先生のヒステリックな叱責と娘さん(=友達)の泣き声とともに聴こえてきて、私にはあんな世界は無理、あの娘は特別、音大に入るため頑張ってるんだな、凄いな、でも私はどう転んでも無理、イヤ、何か別のことをするしかない、とか考えていた。 小学校高学年になると、姉が主に90年代初頭のUKロックやブリットポップと呼ばれるジャンルの音楽を聴きだした。私もそのおこぼれに預かっていた。初めて自主的に、「私のためにテープにダビングして」と頼んだのはKate Bushの"Red Shoes”だった。 ギターは、父親が若いころに買った(その頃、流行ったんだよね)安っちいクラシックギターが家にあって、バイオリンを辞めた後くらいから触り始めた。 この世に「コードブック」や「タブ譜」なるものがあるということも知らず、好きな曲に合わせて「ドミソ」や「ドファラ」の和音を出せば伴奏になる、ギター弾いて歌えるやん!!と発見したときは、大発明したような気になった…。 そして中学二年生に上がったばかりの頃、事件が起こる。 ビートルズとの出会いだ。 昔から家には、the Beatlesの"Help!"とJohn Lennonの"Imagine"だけ、CDがあってカーステで聴いてはいたけど、幼いころ見てたポンキッキでBeatlesの音楽が使われていて、そのメンバーはリンゴとかレモンとか、果物みたいな名前で、もう死んじゃったメンバーもいて、すーっごく昔のグループなんだ、という認識しかなかった。 どうやって「出会った」かというと、中学で「基礎英語」というラジオを家で聴け、という宿題があって、でも家は(別に田舎だからってわけじゃなく)なぜかラジオがクリーンに入らなくって、さらにそんなやったかやらなかったか証拠が要らないような宿題やる必要もないから、中学1年の時は全く聴いてなかった。で、2年に上がって、新しいテキストが配られた際にそれをパラパラと読んでいたら、"Yesterday"の歌詞が載っていた。 "Yesterday”は、13歳の私も知っていた。オルゴールを持っていたから。ステキな曲よね、で、歌詞を読んだら、こんなに切ない話だったの??っと興味を抱いた。どのアルバムに入ってるんだろう?"Help!"?なんだ、家にあるやん!ということで、"Yesterday"を改めて、聴いた。(結局ラジオではなくCDで) 胸が殴られたように響いた。 それから、Beatlesを聴き始めた。 中学校のクラスで、ひとりだけBeatles好きの子がいた。(凶暴で変わった子だった。後に私たち二人とも高校を止めてしまう。) 彼女にいわゆるベスト盤である青盤・赤盤を借りて、テープにダビングして、それこそ擦り切れるまで聴く日々が始まった。テスト前でもステレオの前に噛り付いていて、母親に怒られた。 憧れた。きっとビートルズ好きはみんなそうだろう、「彼らになりたい」と思った。 「歌」というフォーマットで、こんなに広くて深くて色彩豊かな表現ができるのだ、と気づかされた。 「歌」を作るしかない、と決めた。 (つづく)
by agatha2222
| 2013-01-18 15:52
| Project Beatlish
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