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「シアター・ビートリッシュ」セルフインタビュー②

2014/11/21

2ndセットです。
1stセットは、2014年2月28日に初めて自主企画したイベントで演った作品だったので、今回の新作が2ndで、このためにダンサーの宝栄さんにオファーしました。

1st、2ndともに、服装の色、とくに宝栄さんの服装が白から黒に変わることが印象深かったいう感想もいくつか頂きました。
色の持つ象徴性のようなもの、は特に意識しましたね。
1stの主人公の白いドレスは、まだこれからいろいろ経験していくという段階の娘、ということで純真無垢の意味がありますし、靴だけが真っ赤なのは、これから大人の女性になっていく変化を暗示しているというか。
うってかわって、2ndで私、つまり1stの主人公は黒い、可愛げのない服装ですが、これは結婚した女性が纏う色でもありますし、厳格で威圧的な母親という人物像を表してもいます。
対照的に、娘であるプルーデンス、宝栄さんの役名ですが、白いワンピースを着ていると。
そして、このワンピースを途中のシーンで脱ぎ捨てて、床に叩きつけるわけですが…、これは母親に押し付けられた「純真無垢=(ニアリーイコール)幼さ」のイメージを、「もうあんたの言いなりになんかならない」と脱ぎ捨て、精神的自立へ向かうといった意味もあります。
再び母親のもとへ戻ってきた彼女は黒いドレスを着て、本編最後の曲である"Blackbird"を踊るわけですが、この黒い色からも色んな意味を汲み取ることができます。
このあたりはまた後でお話しましょうか…

一平ちゃんも黒を着ていますが、これは彼の役どころがアウトサイダー、とくに悪魔的な何か、もしくは意地の悪い妖精といったところだからですが、結果的に黒で二人、途中からは三人、揃えられて、正解でしたね。
降り積もったままの黄色い菜の花も、洋服の黒によく映えましたし。

三人の役柄については、パンフレットのまえがきでも言及していますので、どうぞそちらもお読みください。


一曲目、I’m looking through youですが、これは私の振付です。
「ほころび組」をご存じの方は、いかにも私らしい振付だと思ってくれるのではと。(笑)
この曲のダンス、ダンスとギターのバチーダ(リズムの刻み)はブラジル北東部の伝統舞踊であるXaxad(シャシャード)を模しています、パロディといったほうがいいかな。気づいた方がいたかどうか…気になりますが。
コミカルな動きの中で、これも部分的に歌詞をなぞっているわけですが、踊る二人の関係性が見えると思います。

二曲目のI am the Warlus、これははっきり言ってディベルティスマン、余興ですね。
音楽的には、誰か怒るんじゃないかというほど、めちゃくちゃ解体していますが…自分では好きです(笑)
アフリカ風タップ、も演目の中に取り入れたかったというのもあります。
ミドルエイト(sitting in the English garden...)の編曲をどうしようか悩んだのですが、一平ちゃんのアイディアも加えて結果的にあのようなシュールな演出になりましたが、まあワンシーンくらいこういうのがあったほうがいいかと。

三曲目のCry Baby Cryも、とても気に入っています。
あまり有名な曲ではないですが、ジョン・レノンお得意のマザー・グース風、もしくは"ルイス・キャロル"テイストの歌詞が秀逸なこの曲を、私は日本のわらべ唄風にしてみました。
してみました、といっても本当はなんとなくギターを弾いているときになんとなく出来たのですが…、絵的にも子供達が長縄で遊ぶ場面なので、音楽とピッタリ合ったと思います。
長縄を使おうと考えたきっかけは、床を打つ音がいいなと思いついたことですが、
長縄遊びの"振付"から次のDear Prudenceへも上手く繋げることができたと思います。
長縄シーンを取り入れる、と決定するまでは長縄が手元になかったので、ギター用の古いシールドを振り回したり自分で飛んでみたりしたのですが、足を引っ掛けるととても痛かったです…。

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そして、次のDear Prudenceが、2ndセットの山、前半の肝ですね。
このシーンが、つまり曲が、もっとも長くて10分?いや、7分くらいかな?あるわけですが、なんとなくこういうかんじで山場にもってくる、ということは一番初めっから決めていたのですが、具体的に作り上げるには時間がかかりましたし、不安もありました。
今公演の新作、つまり2ndを作ろうと考え始めたとき、一番初めに取り掛かったというか取り付いた?曲がDear Prudenceだったのです。
当初はまた違うテーマが頭にあったのですが…、まあそれも関係がないわけでもなくて…、まあ、いいや(笑)

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この曲でも、(I am the Warlusから)三曲続けてルーパー(サンプラー)を使っていますが、なんせ人員が三名しかいないので、私も他の二人に絡んで行くためにはこの手しかないのですよ。
実は、ルーパーをライブで使用するのはこのビートルズ企画が初めてのことだったので、操作を誤らないか、フットスイッチを踏むタイミングがずれないか、とても不安でしたね。
でも、たとえば声だけを重ねていって楽曲を作る、ということは昔から好きでやっていて、それを舞台上で人前でやる、という違いだけなのですが。
ただ、このシーンは長いですし、音質を変えるエフェクターなども一切使いませんし、ループだけ、、というのは退屈でないか、という不安もありました。
(不安だらけですね…)
でも、このシーンは動きメイン、それぞれソロ、デュオ、トリオ?が絡むある種のダンスがメインなので、ダンスのためのバックグラウンドミュージックとしては最適だ、とも感じていました。
というわけで、不安だらけでしたが最終的には不安はすべて解消しましたよ(笑)
声を重ねる順番とダンス等の場面展開は、エクセルで譜面のようなものを作って管理しました。
そう、そして私も踊りました…。
一平ちゃんと私のユニゾンの踊りと、一平ちゃんと宝栄さんのダンスは私が振りつけましたが、私と宝栄さんのバトっているダンスは宝栄さん主体で、二人で作りました。
身体を担いだり引きずったり、コンタクトワーク、つまりパフォーマー同士が接触・干渉しあう動きが中心の振付ですが、難しかったですね。
宝栄さんに厳しく(笑)指導してもらったのですが、映像でみるとなんと私はドタバタしているのかと…ダンスというよりドタバタ喜劇?ですがまあこれはこれで良いか、アリかな、というか仕方ないよな、というか。
自分で踊ってみると、ダンサーの何気ない動きがいかに訓練された肉体の賜物であるかがわかります。
本当に二人のことを尊敬して憧れているのですよ、自分にはできないことなのでね、改めて告白しておきますがね。(笑)

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で、話を戻しますが、母娘、私と宝栄さんのバトルで娘が勝って、怒りのソロダンスがあって、可愛いワンピースと髪飾りを脱ぎ捨てて母の元を去っていくところで、次は母ジュリア(私)と悪魔的な男(一平ちゃん)二人のシーンに移ります。

あ、あと一点だけ。Dear Prudenceの途中で、The Fool On The Hillのメロディを口笛で吹いている箇所があるのですが、どなたかビートルマニアの方で、なぜそうしているのか判る方、いらっしゃるでしょうか?(笑)
...二曲とも、round, round, round, round...というコーラスが共通しているでしょう?そういう遊びを考えるのは楽しかったです。

(2nd後半に続く)
by agatha2222 | 2014-11-23 01:22 | Project Beatlish | Trackback | Comments(0)


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